あの犬が好き
〈作者・訳者〉
シャロン・クリーチ 作
金原 端人 訳
〈出版社・値段〉
偕成社 1,200円+税 2008年
ISBN:9784037267506
〈対象年齢〉
小学校中学年以上
大人でも子どもでも痛みを伴う気持ちは簡単に表現できません。この本の中ではそんな子どもの気持ちが、先生のサポートを受け、詩という媒体を通じて徐々に表現されていく過程が描かれています。
主人公のジャックは車の事故で可愛がっていた犬(スカイ)を目の前で喪います。ある日学校の先生が授業で詩を書く事を提案します。ジャックは詩なんてどうやって書いていいのかわからないし、女の子がやるもんだ、と言っていやがりますが、先生が授業中に紹介してくれる詩の中に、自分の気持ちを表現できるヒントを見つけ出していきます。最初のうちジャックの表現は断片的、部分的で、先生には彼が何かを表現したい事はわかっても具体的な事はわかりません。
この過程の中で、先生は質問はしますが、ジャックの嫌がる事は一切せず、ジャック自身が自分のペースで気持ちを表現するのをサポートして行きます。先生が詩の授業をする事を提案してから、ジャックがスカイを目の前でなくした情景を詩で描写し、スカイを懐かしんがる気持ちを表現するまで8ヶ月以上の時間がかかっています。自分の中の気持ちを認識し、それを言葉で表現できるまでには熟成の為の時間が必要な事がわかります。
ストレスをうけている人が、文章などで自分の気持ちを表現する事の重要性はいろいろな所で言われていますが、この本はその作業をサポートしていく時に必要なヒントを示唆してくれるような気がします。
- 子どもに伝えるときは3つの“C”を念頭に
- がんについて子どもと話をするときのヒント
- 思春期の子どもを支援するための助言
- 子どもの発達段階と悲嘆の表現
- 家族ががんになった子どもを支える:診断について
- 家族ががんになった子どもを支える:治療について
- 家族ががんになった子どもを支える:予後について
- 家族ががんになった子どもを支える:10代への配慮
- 家族ががんになった子どもを支える:いつでも話ができるように
- 配偶者の死後、子どもに新しいパートナーについて話すことについて
- 子どもだって知りたい
- Hope Treeよりお送りしている小冊子
- オリジナル資料
- オリジナル資料2
- オリジナルメッセージ
- 迷ったときに手にする本
- おかあさんが乳がんになったの
- 発病から治療中
- またね
- いつだってスタートライン(詩)
- 3つのなぞ
- たいせつなこと
- きずついたつばさをなおすには
- 恵みのとき 病気になったら(詩)
- だんろのまえで
- 月のかがやく夜に-がんと向き合うあなたのために-
- お父さん・お母さんががんになってしまったら
- おかあさんだいじょうぶ?
- あさになったのでまどをあけますよ
- ママ、なんで?びょうきのママにききたいの
- 末期から死別後
- 絵本版 象の背中 -旅立つ日-
- あの夏
- ぶたばあちゃん
- 水平線の向こうから
- 大切な人が死んじゃった トレボー・ロメイン こころの救急箱
- ポケットのなかのプレゼント
- つみきのいえ
- 岸辺のふたり
- くまとやまねこ
- アニーとおばあちゃん
- 大切な人を亡くした子どもたちを支える35の方法
- あさになったのでまどをあけますよ
- いのち全般
- あの犬が好き
- がんになった親が子どもにしてあげられること
- 葉っぱのフレディ-いのちの旅-
- いのちの時間
- ナヌークの贈り物
- ずーっとずっとだいすきだよ
- はるにれ
- よあけ
- かぜはどこへいくの
- よくある質問
- 参考サイト・資料
- 研究成果(論文・学会発表)
- 患者と家族の方へ
- 医療従事者へ
2024.12.02
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2024.11.30