がんになった親と子どものために

だんろのまえで

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〈作者・訳者〉
鈴木まもる 作・絵
〈出版社・値段〉
教育画劇 1,155円
〈対象年齢〉
幼児~

絵本を開くと、1本のろうそくが灯っています。それは静かで、暖かく、これから始まるお話を聴こうとしている私たちを歓迎しているかのようです。
どんなお話が待っているのでしょうか。

雪が降る山の中で迷ってしまった「ぼく」は、ドアがついた大きな木を見つけ、少しだけ休ませてもらおうと中に入ると、一匹のうさぎと動物たちが暖炉を囲んでいました。
うさぎは「ぼく」に「つかれたら やすめばいいんだ。むりしないで じっと してれば げんきに なるさ。」と言いました。
うさぎの言葉は、寒くて疲れた「ぼく」の心に、すーっと染み込み、何だか少し元気になったような気がしました。

暖炉の前でゆっくりと静かに過ぎていく時間は「ぼく」にとって必要な時間だったかもしれません。
そう、疲れたら無理しないで休むことも、きっと大切なこと。
耳を澄ますと「大丈夫、きっと大丈夫。」と、うさぎの優しい声が聴こえてきそうです。

この絵本は1ページ、1ページ、ゆっくりと読んでください。
きっと、あなたの疲れた身体と心を温かく包み込んでくれるでしょう。

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