がんになった親と子どものために

ぶたばあちゃん

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〈作者・訳者〉
マーガレット・ワイルド 文
ロン・ブルックス 絵
今村 葦子 訳
〈出版社・値段〉
あすなろ書房 1,575円
〈対象年齢〉
小学生から

ぶたばあちゃんと孫むすめは、ずっと一緒でした。
おそうじも、洗濯も、ごはんの支度も、仕事を分け合い仲良く暮らしていました。
それがずっと続くと思っていました。

ある朝、ぶたばあちゃんは普段通りに起きてこないので、心配した孫むすめは様子を見に行くと、ベッドに横たわったままのぶたばあちゃんは、こう言ったのです。

「わたしは、くたびれたのさ。」

それから、ぶたばあちゃんは、いろいろな“支度”を始めました。
借りていた本を図書館に返し、電気代などの支払いを済ませ、そして町をゆっくり散歩しました・・・

ここには「死」という言葉は一言も書かれていません。
ぶたばあちゃんも孫むすめも、やがて訪れる「死」を静かに迎えているのです。
切ないながらも、ぶたばあちゃんと孫むすめのしっかりとした絆を感じる絵本です。

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