家族ががんになった子どもを支える:10代への配慮
10代の子に話す時に特に配慮すること
10代は様々な理由により、一般的に困難な時期であることが多いです。10代の子どもは、親のがんの事とは別に、アイデンティティ、自尊心、人間関係の課題を経験しているかもしれません。10代の子どもにがんの診断、治療、予後について話すことは、もっと幼い子どもと話すのとは大きく異なるかもしれません。
10代の子の多くは友人や学校とのかかわりがとても強く、自分のことを第一に考えるように見えるかもしれません。10代の子は、自立に向かいながら自分とはどういう人間であるかを理解しようとする年齢にあるからです。仲間(周囲)からのプレッシャー、学校からの要求、将来に対する不安は、10代に共通した課題です。それに加えて親や家族ががんと診断されたならば、10代の子にとって非常につらい時期なるでしょう。
彼らが対処することができないという意味ではありません。しかし、10代の子には幼い子たちとは異なるニーズを持っている可能性が高いことを意味します。ここでは、10代の子に話をするときのいくつかのヒントを示します。
あなたの診断と治療についての具体的な情報を準備しておきましょう。
10代の子の質問には率直にごまかすことなく答え、もっと詳しい情報が欲しいときに誰に聞けばよいか、どこに行けばよいかを伝えましょう。
10代のお子さんのプライバシーを尊重しましょう。
10代のお子さんはあなたの病気について特定の人にしか話したくないと思うかもしれません。彼らが相談できる人、例えば親戚や家族の友人がいるかどうか確認しておきましょう。その相談できる人は誰かは、一緒に考えるのがよいでしょう(信頼できる人物かどうか判断する)。
一貫性を保つように努力しましょう。
10代の子には、友達に会ったり、学校の勉強についていったり、社会活動に行ったりする時間を取れるようにしましょう。10代らしく過ごすことが大切だと考えていること、家族のがんに関わらず、楽しんでもいいのだということを伝えましょう。役割の逆転を避けてください。親が病気の時、10代の子は病気の親や幼い兄弟のお世話など、介護の役割を果たさなければならないと感じることがあります。しかし、10代の子は、これからもケアされることを知っていることが大切です。心配しているのは分かるけれど、10代の子どもとしての責任は変わらないことを伝え安心させます。
10代特有の悩みに気付いてください。
10代の子は「自分もこのがんになるのだろうか」といった特有の悩みを持つことがあります。 遺伝性のがんなどの質問にどう答えたら良いか、医療チームに確認してください。また、10代の子はがんの治療費について心配し、大学や他の大きな費用のためのお金はあるのだろうかと考えるかもしれません。 これらの心配事にできる限り答えて安心できるようにしましょう。経済的に不安がある場合は、家族が経済的に安心できるように、申請できる経済的支援があるかどうか、病院のソーシャルワーカーが相談に乗っています。
※この資料は、米国CancerCare(キャンサーケア)Inc. の資料を許可を得て日本語に訳したものです(Copyright 2008) www.cancercare.org(英語のみ)をご覧下さい。
このコンテンツは、がんになった親、家族、周りの人などに利用していただいたり、医療機関などで配布することもできるようPDFファイルにしてあります。ご自由にご活用ください。
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