子どものサポートプログラムCLIMB
CLIMBプログラム(がんの親をもつ子どもへのサポートグループ)とは
Children’s Lives Include Moments of Bravery(子どもはいざというとき、勇気を示します)
CLIMBプログラムとは、アメリカで広く用いられている、がんの親をもつ子どものための構造化されたサポートグループのプログラムです(注1)。
プログラムの対象は、がん治療中の親をもち、親ががんであることを伝えられている学齢期の子ども(小学生)。クローズド・グループで全6回実施し、各回でのテーマや活動内容が決められています。日本では、親グループも並行して開催しています。(注2)
日本ではHope Treeスタッフが、厚労科研[がん臨床におけるチャイルドサポート]研究分担者として、2010年に米国の原版をもとに日本の文化に合わせたCLIMBプログラム日本版を作成(注3)し、実施するとともに、2012年7月からはファシリテーター養成講座も毎年開催しています。
2014年4月からは、CLIMB事務局は研究班からHope Tree内に引き継がれ、Hope Tree主催でのプログラム開催のほか、全国の医療機関等でのプログラム開催を支援、2020年時点では9都府県11医療機関でCLIMBが開催されるようになりました。
講談社WEBメディア『コクリコ』(子育て世代向け情報サイト)にCLIMBの様子が掲載されています。
こちらのリンクからご覧ください。
CLIMBプログラムのめざすこと
このプログラムは、こころの健康の増進という原則に基づいています。
- 子どもの持っている力を引き出し、親の病気に関連するストレスに対処していくための能力を高めることをめざしています。
- 同じような状況にある子どもたちが集まって、一緒に工作をしたり、話し合ったりしながら、お互いの状況や気持ちを伝えあい、仲間とつながることをめざしています。
参加者の感想
これまでにグループに参加された方々の声をいくつかご紹介します。
お母さま・お父さまの声
子どもの心のケアの大切さを知り、対処法のヒントをいただけました。子どもはとても楽しく毎回参加するのを楽しみにしていました。最後の回の頃には私との絆も前より深まり、子どももいろいろな面で成長したように感じました。
同病の家族同士で交流をもてた点が良かったです。患者会は親だけで、家族が交流するような機会はなかなかないですので。子どもに対してとても丁寧に対応してくださったことに感謝しています。
私は病気になったばかりで、子どもにどう接してフォローしたらよいか分からなくて困っていたのですが、スタッフの方々のおかげで、なんとか毎日の生活が取り戻せた気がします。感謝しています。
参加されたお子さまの声
みんなで仲良く協力してがんについてを学ぶことができてとても楽しかったです。よかったのは、同じ気持ちの人となかよくなれたことです(11歳)
このプログラムに行って、お母さんやお父さんががんの子どもは自分だけじゃないんだと思えました。工作をしたり、らくがきタイムもたのしかったです。(8歳)
ともだちと遊ぶかんじだし、おにんぎょうさんつくってお父さんのがんのこと学べたから、役に立つしおもしろかった(8歳)
注釈
注1 The Children’s Treehouse Foundation(代表:Peter R. van Dernoot)が、Prof. Sue P.Heiney(サウスカロライナ大学看護学教授)と共同開発したプログラム
注2 開催回数は4回や5回にアレンジして行うするケースもあります、また、親グループプログラムは開催せずに子供向けプログラムのみ開催のケースもあります
注3 CLIMBプログラム日本版テキストブック(小林真理子・大沢かおり 監訳)