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家族ががんになった子どもを支える:診断について

お子さんと十分にコミュニケーションをとることは、待ち受けている変化がどのようなものであれ家族のみなにとって立ち向かう力になります。

がんと診断されたときには親としてさまざまな難しい問題に直面しますが、そのひとつは「子どもにどう話そうか」ということです。幼い子や十代の子を混乱させたり悩ませたりするのではないかと心配して、知らせないでおく親もいます。しかし、とても幼い子どもでも、良くないことが起こったときにはそれを感じ取ることができます。子どもは、本当のことを知らされないと実際よりも悪い事態を想像することがあります。あるいは、自分のせいでそういう事態になったと思うことさえあります。

親や祖父母やきょうだいががんであることや、がんが家族にどのように影響するかを子どもに伝えることは、簡単ではありませんが必要なことです。キャンサーケア・コネクトが提供するこの冊子には役に立つ情報があります。家族のがんと治療についてお子さんと話すためのヒントが載っています。また、お子さんが今なんらかの感情を抱いているのなら、それに立ち向かえるようにお子さんに力を貸す方法も提案します。

全米規模の非営利組織であるキャンサーケアは60年以上にわたりがんの患者さんとその大切な人々に力を貸してきました。「CANCERcare for Kids」は、家族が受けたがんという診断に立ち向かえるようにご両親とお子さんを支援するプログラムです。

ごまかすことなく話し、感情を表せるように手を貸すことで、お子さんは安心感を得やすくなります。そして、お子さんにどのように話すかについて最善の判断を下せるのは親であるあなたです。しかし、多くの場合、がんについて話すときにいちばん難しいのは最初に話を切り出すことです。この冊子にある情報はがんの話を始めるときに役立ち、あらゆる段階においてのヒントとなるでしょう。

診断について話す

診断が下されたら、ふつうはそのすぐ後にお子さんに伝えるといちばん良いでしょう。早い段階での情報共有が、信頼関係を築くために役立ちます。情報を教えてもらえるのだとお子さんが気づけば、起きていることに対する恐れが和らぐきっかけとなります。がんについて話すのが容易だと言っているわけではありません。診断についてお子さんに話すときのヒントをいくつか示します。

伝えたいことを準備しましょう。

がんについて切り出す前に、言いたいことを伝えられるように練習したり書き出したりすると良いと多くの人が感じています。配偶者、パートナー、親しい友人や親戚に同席してもらうと話しやすいと言う人もいます。また、自分も子どももくつろげる穏やかな時間を選んで話をするとストレスが少なくなるということです。

年齢の違うお子さんがいる場合には、まず上の子と話すことになるかもしれません。おそらくその子は、あなたが下の子に話すときに自分が役に立ちたいと思うでしょう。家族全員が状況に気づき、お互いに支え合う機会となるように、このような会話はできるだけ寄り添って行うようにしましょう。

雰囲気を作りましょう。

何を伝えるかと同じく重要なのは、どのように伝えるかです。あなたが悲しい気持ちになっても、落ち着いた安心感を与える声で話せば、あなたがどのようにして立ち向かおうとしているかをお子さんが理解しやすくなります。そうすれば、お子さんがその事態に立ち向かう助けにもなります。お子さんが混乱したり理性を失った場合には、つらい話だということをあなたはわかっていること、お子さんがどのように感じているかをあなたが理解していることを伝えましょう。話に戻るのはあとからいつでもできます。

子どもは、とくに幼い子は、一般に集中力が長く続かないことを覚えておいてください。お子さんが聞いていられる時間よりも話が長くならないようにしましょう。ただし、聞きたいことがないか必ずお子さんにたずねてください。答えがわからないときには、できるだけ早く答えを見つけて知らせるとお子さんに伝えてください。そうすることで、親は必ずしもすべての答えを知っているわけではないが、親は子どものためにできるだけのことをするのだということが子どもに伝わります。また、知りたいことは何でも聞いてよいのだということも子どもに伝わります。

お子さんの年齢に配慮しましょう。

お子さんと話をするときには、年齢にふさわしい言葉を使いましょう。よく知っているふつうの言葉を使うことで、がんとこれから起こることについてお子さんが理解しやすくなります。

また、年齢によって物事を理解する方法が異なることを覚えておいてください。親ならだれでも自分の子の成熟度や理解力をわかっていますが、年齢によって何がいちばん効果的であるかを知る目安としてこの情報をご利用ください。たとえば、就学前の年齢の子どもには「魔法のような考え」が見られることがあります。つまり、自分が何かを言ったり考えたりすれば、それが本当のことになると信じていることがあります。ですから、お子さんがしたことや、言ったことがんの原因になることはないのだと子どもに理解させることがとても重要なのです。簡潔で具体的な言葉を使いましょう。たとえば、次のように言えます。

「ママ(パパ)はがんという病気にかかっているけれど、がんは自然にできたもので、だれのせいでもないの。ママにはとても良いお医者さんがついているし、ママも良くなるためにできることは何でもするつもりよ。」

がんは伝染病ではないことを子どもに理解させることも大切です。幼い子は、病気になるのはバイ菌がうつることだと考えることがよくあります。風邪とは違って、がんはうつらないことを教えてください。いつものように抱きしめてあげることもできるのだと伝えましょう。

5歳から8歳までの子どもが自分自身のことばかり心配するのは自然なことです。「だれがぼくを守ってくれるの?」というのはよくある質問です。これは、幼い子どもが自己中心的だからというわけではありません。この発達段階にある子どもは自分自身の視点から世界を見るのであり、もう少し大きくなるまで広い視野を持てません。これからもきちんと世話をしてもらえることや、これからどうするかあなたがしっかりと考えていることを伝えれば、日々の生活に変化が生じたときお子さんがそれに対処しやすくなります。より年上の子どもにも、自分のニーズが満たされるという安心感は必要です。

5、6歳を過ぎると、質問が増える傾向があります。あなたのがんがどのような種類であるか、がんがどこにあるかを伝える準備をしましょう。知っている限り、質問に答えてください。ただし、聞かれていないことまで話す必要はありません。これは子どもが自分のペースで情報を吸収できるようにするためです。もっと知りたいことが出てくれば、あとで聞いてくるでしょう。

どの年齢のお子さんでも、お子さんが感じている気持ちは当然のことだと伝えてあげることが重要です。お子さんががんについてどのようなことを知っているのか、あなたが確認しておくことも役に立ちます。そうすれば、医療チームと協力して誤った情報を取り除きやすくなります。ごまかさず希望を持って接してください。この先、折に触れて会話をすることで、お子さんがもっと安心感を得られるようになります。

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