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2011.07.19

Hope Tree フォーラム 2011 実施報告

Hope Treeフォーラム2011を7月9日・東京ウィメンズプラザホール、10日・岡山国際交流センターにおいて、ノバルティスファーマ共催で開催いたしました。

それぞれ164名、109名の方がご参加してくださいました。梅雨明け後の暑い週末にもかかわらず、また、遠方からも来てくださったことにお礼申し上げます。

 1部はMDアンダーソン/チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)/マーサ・アッシェンブレナーさんを講師にお招きし、『子どもが大切な人と別れる時、私たちにできることー終末期がん患者・家族を支えるー』をテーマに、講演していただきました。

 【親ががん患者になった時】【治る見込みがなくなった時】【残された時間がわずかになった時】 それぞれの時期において、発達段階ごとに子どもの特性で知っておくべきことについて、事例をまじえながら話をしてくださいました。

そして、講演後の質疑応答では、参加申し込み時に書いていただきましたたくさんの質問を大きく4つにまとめて、マーサに答えていただきました。

 2部では、日本での取り組みについて、異なる職種の3名が報告しました。

 三浦絵莉子(聖路加国際病院CLS、Hope Treeメンバー)は、緩和ケア病棟に入院中の事例を紹介しました。患者である父親は1人息子に会いたいけれども、母親は父親が苦しんでいる姿を見せたくないという理由で息子を面会に連れて来るのをためらっている、という3人家族へのCLSの介入の実際を紹介しました。

 白石恵子さん(九州がんセンター臨床心理士)は、親が終末期を迎えた時を4つの時期(1.病気を治せなくなった時、2.子どもが自己効力感を育てて欲しい時、3.症状緩和の目的で鎮静処置が施された時、4.死が身近に迫っている時)にわけて、子どもに伝える4部構成の小冊子の試作品を紹介しまた。

 最後は、Hope Treeの活動のひとつ、CLIMB(R)プログラム(親ががんになった子どものサポートプログラム)を紹介しました。米国以外で開催する国としては、4つ目となる日本で、試行錯誤しながら実践をしている進捗状況を東京共済病院/ソーシャルワーカー/大沢かおり(Hope Treeメンバー)が報告しました。

マーサさんの講演の中の一言です。

「この講演を聞きに来てくださったみなさん、そしてここには来られなかったけれども、子どもの存在を気にしてくださる方々が、まず、始めてみてください。大人の思い込みで判断するのではなく、子どもが自分で選択する自由を認め、子どもなりに行動することを支えるということを始めてみてください。そこから、日本のチャイルドサポートの基盤ができていくと思います。」

当日ご来場いただいたみなさま、ボランティアでお手伝いいただいた四国がんセンターのみなさま、さまざまなご支援をいただきましたノバルティスファーマのみなさま、ありがとうございました。

東京と岡山でのフォーラム終了後、講師のマーサさんからメッセージをもらいましたのでご紹介しておきます。

It was a great pleasure to be a part of the Hope Tree Forum 2011, taking place in Tokyo and Okayama. I am honored to be invited back to Japan to talk about this very important topic – children whose parents have cancer and this year, children whose parents are facing end of life.

This year the other speakers talked about their special work with children and families when a parent has cancer. A child life specialist, a psychologist, and a social worker talked about their important work helping children and patients address the difficult topic of being honest with children about a parent’s cancer diagnosis and prognosis.

With the wonderful leadership of the Hope Tree Group and the consistently generous support of Novartis Pharma, great progress is being made to assist these patients and their families. I am honored to be a part of this amazing project in Japan.

Hope Treeフォーラム2011に関わることが出来て嬉しく思っています。

再び日本に招きを受けて、親ががんの子ども、今年は親が死を迎えようとしている子ども、というとても重要なトピックについてお話することができて光栄です。

今年は3名の他の演者が、親ががんの子どもに関わる取り組みについてお話しました。CLS、臨床心理士、ソーシャルワーカーが、がんの診断とその予後について親が子どもに正直でいる、という難しい課題に関するそれぞれの取り組みについて話しました。

Hope Treeのすばらしいリーダーシップと一貫した寛大なノバルティスファーマの支援により、そのような患者と家族を支えるための大きな進歩が達成されています。私は日本に於けるこのすばらしいプロジェクトの一員であることを誇りに思います。